BLOGスタッフブログ

三菱一号館美術館 ビアズリー展

 


こんにちは、永上です。

先日、三菱一号館美術館にビアズリー展を見に行ってきました。

三菱一号館美術館

ビアズリーと言えば、オスカーワイルドの戯曲サロメの挿絵。誰もが一度は目にしたことがあるかと思います。

25歳という若さで、この世を去ったビアズリーですが、この展示会ではその短いアーティスト人生を感じさせないほど多くの作品数が展示されていました。

選びぬかれた線、点、構図で描かれた作品は、どれを見てもため息が出るような繊細さで、妖しくぞっとするほど美しく魅入られるようです。

文芸誌イエローブック

サロメで大きな反響を得たビアズリーでしたが、オスカーワイルドのスキャンダルに巻き込まれる形で、美術編集を担当していたイエローブックから編集を外されるなど、せっかく得た名声を失いかけました。しかしその表現技術は進化を止めず、新たに文芸誌「サヴォイ」の美術編集を担当し、25歳でその生涯を閉じました。

この展示の中で興味深かったのは、アングロ・ジャパニーズというブームがこの時代に流行ったということです。家具や建築などにも多くの影響を与え、ビアズリーの絵の中にもその様式を受けた家具調度品がえがかれています。

アングロ・ジャパニーズ様式の家具

以前、エドワード・ゴーリーを横須賀美術館で見たのですが、妖しく美しく、目をそらさないと吸い込まれてしまいそうな…そんなゾクッとする魅力がビアズリーとつながるところがあるように思いました。ゴーリーも同じようにブラック&ホワイトで「大人の絵本」といわれる絵本を描き、多くの人に愛されています。

ブラック&ホワイト…この二色で描かれた絵には、アーティストからのいろんな暗喩が込められているように私には思えてなりません。

外でレジャーを楽しむには絶好の季節になりましたが、花粉を浴びなくてすむ美術館もお勧めです!(全天候型ですしね!)